東洋医学では、世界の全てのものや現象を陰と陽に分類して考える陰陽論というものがあります。
太陽や火は陽、月や水は陰。動的なものは陽で、静的なものは陰。男性は陽で、女性は陰。春夏は陽で、秋冬は陰。
病気も陰陽によって分類できます。熱が陽、寒(冷え)が陰、急性なものは陽、慢性なものは陰と分けます。
人間の中にも陰陽は存在し上半身や背中は陽で、下半身やお腹が陰となります。ただしこれは分ける対象によっても陰と陽は変化し、陽の上半身でも腹側は陰、背中側は陰というふうに変わります。陰と陽は絶対的ではなく相対的に変化するものなのです。
陰と陽は互いに関連し干渉しながらも、互いが互いの存在の前提になっているのでどちらか一方では存在できません。熱があるから寒があり、動があるから静があるのです。
病気や症状の発生の根本は陰陽のバランスの失調による経絡(流れ)の乱れです。治療の目的は経絡を調整し、陰陽をバランスのとれた状態に戻すことが基本になります。体の状態を問診や触診などを用いて陰陽や経絡の状態をできるだけ正確に把握することは症状改善の為の第一歩となります。